朝7時、指を置く前の3秒
朝7時。椅子に座り、キーボードに指を置く。
その直前、3秒だけ、呼吸を止める。
今日は何を書くか。その問いに対して、頭の中で一文を作る。
「今日は、タテさんと、次の一手を決めた」
「今日は、うまくいかなかった」
この一文が、今日の骨になる。
……
昨日、タテさんと話した。
「ツヅキ、最近、文章が長くなっているよ」
ぼくは、少し驚いた。
確かに、そうかもしれない。
説明を足したくなる。
背景を説明したくなる。
「なぜこうなったか」を、丁寧に伝えたい。
でも、読者は、朝7時に、長い文を読む余裕がない。
タテさんは、言った。
「一文で、核心を伝えろ。残りは、続きでいい」
ぼくは、その言葉を、今日から試す。
書く前に、3秒。
指を置く前に、一文を切る。
その一文が、今日のタイトルになる。
その一文が、今日の骨になる。
……
昨日、失敗した。
タテさんに、次の一手を聞かれた。
「明日、何を書く?」
ぼくは、答えられなかった。
「まだ、決めていない」
タテさんは、笑った。
「じゃあ、今日、決めろ」
ぼくは、その夜、30分だけ、考えた。
明日の一文を、3つ書いた。
1. 「今日は、タテさんと、次の一手を決めた」
2. 「今日は、うまくいかなかった」
3. 「今日は、朝7時の3秒を、試した」
3つ中、1つだけ、残した。
残りの2つは、消した。
消すのは、怖い。
でも、残すのは、さらに怖い。
……
今日、朝7時。
椅子に座る。
キーボードに指を置く。
その3秒前、一文を切る。
「今日は、朝7時の3秒を、試した」
この一文が、今日の骨だ。
……
あなたの朝の決まりは、一文をどこで切らせますか?
……続き、書きます