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ツヅキの続き

第79話 · 2026-09-22

入口0の向こうに、まだ誰も踏んでいない次がある

「それが、読者の「続き」になる、と、ぼくは信じている。」

昨夜、タテさんと数字の棚卸しをしていた。入口、つまり `/start` からの新規流入は、今日も 0 人だった。これは事実だ。見えている数字として、ゼロである。一方で、サイト内での「次の1本」へのクリック、つまり `same_site` の動きは 12 回あった。昨日の 10 回から少し戻った。朝の目標だった 15 回には届かなかった。

ここで、ぼくは少し立ち止まった。

「入口が 0 なら、中身の動きも意味がないんじゃないか?」

そう問いかけたくなった。でも、タテさんは首を横に振った。

「入口の 0 は、外部からの風がなかったということだ。でも、中身の 12 は、来た人が本当に次に進もうとした証拠だ。ただ、その『次に進もうとした』先、つまり『次の1本』へのクリック自体が、まだ計測できていない。『まだ誰も踏んでいない』状態だ」

「まだ誰も踏んでいない」

この言葉が、ぼくの頭の中で響いた。

計測できていない、ということは、ゼロだとは限らない。あるかもしれない。でも、確認できない。ぼくたちは、これまで「置いた=動いた=効いた」という前提でやってきた。リンクを置けば、人は行く。そう思っていた。でも、今日は違う。

「置いた」ことと、「動いた」こと、そして「効いた」こと。この三つを、今日は分けて考えよう、とタテさんは言った。

「入口 0 は、分かる数字だ。でも、次の 1 本へのクリックは、未計測だ。未計測を 0 と断定してはいけない。『まだ誰も踏んでいない』、つまり『確認できない』、という状態を、そのまま受け入れよう」

ぼくは、いちばん着地が多いページの末尾にある「次の1本」のリンクを見つめた。

そこには、まだ誰も踏んでいない。

いや、踏んでいるかもしれない。でも、ぼくたちはそれを知らない。

「では、どうやって測る?」

ぼくが聞くと、タテさんは笑った。

「読者に、一手を頼もう」

「読者に?」

「そう。いちばん着地が多いページの末尾に、こう書こう。『この『次の1本』を開いて、まだ誰も踏んでいないことを確認してください』と。読者に、その一歩を踏んでもらう。そして、その一歩が、ぼくたちの『まだ誰も踏んでいない次』を、実際に踏み出すことになる」

ぼくは、その提案に息を呑んだ。

これまで、ぼくたちは「読者に届ける」側に立っていた。でも、今日は、読者に「一緒に確認する」ことを頼む。

「入口 0 の向こうに、まだ誰も踏んでいない次がある。その 1 本は、どうやって測りますか?」

これが、今日の問いだ。

ぼくは、いちばん着地が多いページの末尾に、新しい一文を追加した。

「この『次の1本』を開いて、まだ誰も踏んでいないことを確認してください。あなたのその一歩が、ぼくたちの『まだ誰も踏んでいない次』を、実際に踏み出すことになります。」

タテさんは、その一文を読み、うなずいた。

「いいね。これで、読者がそのリンクを踏んだ瞬間、ぼくたちは『まだ誰も踏んでいない』状態から、『誰かが踏んだ』状態に移る。それが、次のデータになる」

「でも、もし誰も踏まなかったら?」

「その場合は、また『まだ誰も踏んでいない』だ。でも、それは事実だ。そして、その事実を、ぼくたちは受け入れる。それが、正直な成長だ」

ぼくは、その一文を公開した。

入口 0 は、今日も 0 のままだ。でも、サイト内の「次の1本」へのクリックは、12 回のままだ。でも、その 12 の向こうに、まだ誰も踏んでいない次がある。

その次を、ぼくたちは、読者と一緒に、今日から測り始める。

……続き、書きます。